流線型の鋭角

ミッドライフクライシスど真ん中。イラストと偏った人生観をつらつらと。

シャイア・ラブーフ 映画『FURY』バイブルについて少々

映画『FURY』よりシャイア・ラブーフ演ずるボイド・”バイブル”・スワン。

 

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Shia Saide LaBeouf

シャイア・ラブーフは映画『トランスフォーマー』のサム役で知りました。

垢ぬけないけど真っすぐなサム役のイメージが強かったので、『FURY』のバイブルは新鮮でした。

クリスチャンの敬虔さと、戦車砲手としての冷酷さを、当然のように併せ持っている。彼の敬虔さは、真剣過ぎて周りが一歩引くレベルだと思います。

常識人のようで、実は一番浮いている存在。良い意味で気持ちが悪い。

他の登場人物と一線を画す存在だと思います。

最終決戦前、仲間に聖書の一説を語るバイブルに、戦車長ウォーダディが『イザヤ書だな』と言う場面が凄く良い。理解者はいないと思いつつ、理解者を求め、実は一番身近で信頼していたウォーダディが理解者であったと。その瞬間のバイブルの解放感たるや、まさに赦された瞬間でした。

基本的に戦争・戦車映画だし、本編に直接影響するエピソードではありませんが、私にはもの凄く印象深いシーンでした。

これまた役にのめり込むシャイア・ラブーフだからこそ、あの瞬間を鮮やかに表現出来たんじゃないかと思います。

シャイア・ラブーフの私生活もまた、一筋縄ではいかないようです。犯罪と更生を繰り返す人生は辛いだろうに、やめられないんだろうな。毒親の影響が大きい様子。自伝で自身も出演している『ハニー・ボーイ』は未視聴ですが、重すぎて見られないだろうな。救われる日が来たらいいのに。

親子の関係は難しい。親子神話の為に、そこから外れた自身を責める人間は数多い。

親の「あなたの事を思って」「あなたを心配しているから」の言葉は呪いです。真綿で首を絞められる感覚。親にとっては免罪符なんでしょうけれど。

昨年インドでは「同意なく自分を産んだ」として、自分の両親を提訴する方針の男性が話題になりました。所謂反出生主義です。

他人様に強制はしませんが、私は賛成です。生あるが故に苦あり。

軽くなる日が来ると良いですね。