流線型の鋭角

ミッドライフクライシスど真ん中。イラストと偏った人生観をつらつらと。

ビョルン・アンドレセン 色鉛筆画

『ベニスに死す』よりビョルン・アンドレセン演ずるタッジオ少年。

 

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ビョルン・アンドレセン 色鉛筆画

以前アップしたシャープペンシル画を、濃度薄めにコピーして着色しました。元絵はこちら。

 

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ビョルン・アンドレセン シャープペンシル

どうあっても美しい少年です。生きる芸術と言っても過言ではない。

年々、アッシェンバッハの目線で見る感覚が分かってきました。

若く美しいものに対する羨望、崇拝。

…だけではなく、タッジオ少年と反対に、衰え枯れ逝くアッシェンバッハの絶望が、余計にタッジオの若さと美しさを際立てていると思います。

作中でタッジオは、家族や友人には無邪気な笑顔を見せますが、アッシェンバッハには含みを孕んだ目線を流したり、手を出せずに見つめ続ける彼に、からかいめいた態度をとったりしています。

(…ストーカー同様のアッシェンバッハに対する態度としては、妥当だし、ぬるいくらい。むしろストーカー刺激しちゃ駄目よ、とも思いますが。)

ともかく、何気に煽るタッジオの行動やら美しさやらで、アッシェンバッハはもうタッジオから目が離せない。鑑賞しているこちらも、アッシェンバッハの目線で見るから、やっぱりタッジオの虜になってしまう。

同時に自身の浅ましさやら醜さやらを突き付けられる。年齢を重ねてから振り返ると、末恐ろしい映画です。

 

父は無事に手術が終わり、色々な検査を実施中。まだまだ落ち着かないものの、本人の苦痛が軽減したとの事で、ひとまず良かったと思います。

一日一日が、どうか平穏でありますように。